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- 立て!撃て!斬れ!
- 闘技大会・決勝戦。相対するかつての兄弟子フェルサーに、夢神の封印を解いた張本人かを問いかける山羊座エルシド。事実なら…斬る!!任務のために。
- 問いには答えず、同門対決すら場を盛り上げる要因と決勝の火蓋を切るフェルサー。黒馬の突進をガッシリ受け止めるエルシドだが…またも観客の熱気を食らうフェルサーの鎧が…いや、騎乗する黒馬ごとフェルサーが巨大に膨れ上がりエルシドを圧する!?熱気を食われバタバタと倒れ始める観客。エルシドは見た。フェルサーの背後にうごめく邪神の気配。それこそが、エルシドが探るべき神にして、フェルサーが望みを託す「夢神ボペトール」!!黒馬の突撃がついにエルシドを周回の壁にめりこませる!
- 陥没の中、エルシドは…健在!その手刀は既に反撃の一打を加えていた。長切(ながぎれ)たる切れ味の研鑽を称えるフェルサーの鎧は、兜から肩口を砕かれて素顔の焼け跡を現す。エルシドの本気に答えるべくフェルサーが取り出した黒い大剣…見知った剣気を持つそれも、峰が研いだ「斬桜鬼」の一振り。持ち主の意志のみで相手を斬る、峰の夢たる「聖剣」!次の刹那、無傷の黄金聖衣の下で傷が血飛沫く!!
- 次元をも断つ刃で勝利を確信したフェルサーは饒舌に語る。周りの観客は人の夢を食い物にする、夢も望みもなく他人の夢を傍観してスキ間を埋める醜い下衆と。聖闘士の道を逸れての思考の末にフェルサーがたどり着いたのは、力を持つ者が夢を実現し、それ以外を廃人としようともエサにすること…エルシドの首すらも!抗するエルシドの向ける刃は、上体の聖衣を振るい飛ばし、身一つを抜き身とすること!研磨した己という刀で切り開くのがエルシドの道…かつての、フェルサーと峰との約束の道ゆえに。
- そうか、山羊座もドラゴンとは所縁の聖闘士なら、キャストオフのオマージュをやってもいいわけだ。ここへ至るために逆算した展開だったんだな。
- そして次元斬りはLC本伝で会得されている!その完成がこの対決でなされるのか…?
- ボペトールとは、おそらくは「Phobetor」のもじり(意図してか誤植か?)、即ち「イケロス」の別名。LC本伝の「幻夢イケロス」とマスクや風貌が異なるようなので、別神として生み出されたのか?イケロス本人なら、ここでは討たれないことになってしまうので、別神としての決着はつけられることだろう。