- 新聞が燃え、薬品棚が揺れ、動物が怯え、先生が宙に浮く…ミドリの身の回りを中心に起こる異変は、ガンバス大王が心の病に伏した影響だった。青山家の娘であることを譲らないミドリを娘・ゼリアン王女と信じて取り戻したいと思い詰めるあまり、青山家への敵意を無意識に念波で飛ばしているのだ。怪現象は青山病院に魔物がいるとの悪評を呼び、パパママは引越しすら考慮しはじめる。実の娘と信じるミドリに手を握られても大王は回復しない…残る手立ては、魔の谷にあるフェアリーグラスの赤い実を煎じること。だがそこには妖精をひと飲みにするという暴れ者の巨人がいるのだ。ミドリは魔の谷へ向かい、襲ってきた巨人も足に刺さった棘を抜いてなだめることに成功する。しかし、見つけた赤い実はもみ合いの拍子に潰れてしまっていた…。そこへ洞窟から助けを呼ぶ声が?見つけた声の主は、大きな卵から出られないらしい。ドリームボールをぶつけて殻を割ると、本物のゼリアン王女が誕生した!12年前、コウノトリが巨人に驚いて卵を落として以来、秘密調査員ドンパも魔の谷を避けて気づかなかったのだ。本物の王女の手で体熱をチャージされた大王は回復。ミドリはフェアリー王国と別れを告げ、人間・青山家の娘に戻るのだった(完結)。
- 巨漢役で度々見る団さん演じる魔の谷の巨人は、煽るカメラワークで大きく見せるものの、ミドリと同じ画面に収まる等身大。合成で巨大にしないのは予算の都合?前回予告では「ひとつ目の巨人」と紹介していたが、おでこに目玉っぽく貼りものをしていてどう見ても三つ目。これはメイクの技術力の都合か。
- 弟の虎男も王子という触れ込みだったハズなんだけど、「本物の王子」は登場せず…王女の弟だから王子ということにさせられたということか?
- 人違いの失態を詫びるドンパだが、大王はミドリの人柄に出会えたことで満足気。ミドリを王女と同等に称え、王国で暮らすことを提案した。
- 12年間卵のままだったゼリアン王女。卵が割れるとイモムシと蛹の変態を瞬時に繰り返し、透明化の時のミドリと同じ姿に一気に成長する。ブリッジBGMは、スケバン刑事IIIのOP出だしにも使われているデデデデデデデーン!
- 卵を割るために投げたドリームボールは粉々になって、透明化の力は失われた。ミドリの手元に残されたフェアリーベルは風鈴に仕立てられ、音色を奏でても妖精を呼び出すことは二度とない。
- 筆者、リアルタイムで見ていた割に記憶が薄く、大団円がわかってスッキリ。最終回は物語を畳むイベント中心に話が進むが、自分を人間の娘と信じる意志の強さに、魔の谷へ向かう勇気、大王や巨人をもいたわる優しさといったヒロインの魅力を随所に織り交ぜている。作品全般で見ると正義感が行き過ぎることもあったが、弟の行いを見て自省するなど、子どもでありつつお姉さんというポジションを生かしバランスのとれた人格になっていた。ストーリーは人情ドラマから動物感動路線に、ジュブナイル風SFや刑事アクションもあったりで、バラエティのある内容。毎回幅のある話づくりだった。
- 出演クレジット(一部役名あり、敬称略)