今月の別冊チャンピオン/『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話 外伝』(双子座アスプロス編4回目)

  • 双子座アスプロスの必殺ギャラクシアン・エクスプロージョンが、天寿星ヴァンパイアのエアハートの乗る海賊船を木端微塵に粉砕してゆく…クリスの姉ウルスラをも巻き込んで。クリスは遺産(=ケートス冥衣)目当てに自分をつけ狙った姉を爆発から救い出すのだが、大人しいだけですべてを与えられた妹へのウルスラの嫉妬は消えない。
  • その時クリスのケートス冥衣が外れ…生きていたエアハートの手元に!魔星を宿しながら目覚めぬクリスと、魔星に選ばれてすらいないウルスラ…エアハートはクリスの冥衣と魔星の力を回収するために、ウルスラを焚き付けて利用していただけだった。海を染める緋色の十字…ヴァンパイアの力でケートスの力を取り込んだエアハートの「クリムゾンビロウ」がアスプロスを襲う!魔星二つ分の広範囲攻撃に、弟デフテロスを対等に生かす世界を作るというかつての想いが去来して…。
  • アスプロスはその攻撃をしのいだ!強く在らねば…世界を「己」が手にするためには。ダメージを負いつつも徐々に押し返すアスプロスに、エアハートはクリスの生命力をさらに吸い上げダメ押しを図るのだが…ケートス冥衣を呼び戻し再び纏うクリスが、決然と魔星の掌握を宣言。吸精を断たれたエアハートがアスプロスの反撃をしのぐ術はなかった。冥衣を掌握したクリスは宗家が滅びた理由を察し、その力を当主として封印することを宣言する。気弱な少女が自ら運命に向かい起つ姿に、自らを重ねたか肯くアスプロス。任務は終わった。
  • アスプロスの帰還を待つ聖域では、教皇セージが既に辞退した射手座シジフォスを後継とするデマを指示。アスプロスの叛意を推し量ろうとしていた。冥王軍から追われようと戦う意志を決めたクリスのように、何物も恐れず生きることを再確認したアスプロスが、叛逆の未来の待つ帰路に就く…。
    • 弟のために世界を変えるはずが、もうすでに「俺のため」にすりかわっているアス兄さん…。野心は既に悪に傾いているのに、成したことは善というピカレスクな英雄譚となったアスプロス編。原作版サガの二面性は「善は許す、邪悪は許されない」扱いでしたが、ここでの善悪は結果にすぎず、「己を貫く」行為自体は肯定するみたいな内容でした。
    • その弟デフさん編コミックスは10/20発売。他所の外伝も同時発売ですが、NDは入ってないんだなあ。そっちは車田御大がザジ読み切りにも手を出しているため、再開の目処は遠のいております。男坂もう1期挿むなら年またぎだとして、そこから執筆再開としてもフルカラーのペースだと来夏あたりまでおあずけですかねー。
    • 外伝オーラスの牡羊座編は、1回休んで再来月からスタート。手代木先生ブログによれば「少しだけ長く」描くとのこと。黄金ひとりに単行本1冊を崩すことはないと思いますので、牡牛座編みたく頁数を減らして回数4→5で連載するというのが「長い」の意味ではないかな。その時も並行してアンソロ本や李香蘭コミカライズとか入れてたようですし。LCファンとしては「終わり」が先延ばしされて一安心なような、やきもきが長引いたような。