『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話』 16・17話 神と駒/塵芥

  • アルデバランの死の原因と噂されるテンマに恨み言のない弟子たちを前に、いずれ弟子テンマのため身体を張ることを思う童虎。その頃、テンマ護衛の勅命を受け死の森に駆けつけた蟹座マニゴルドは、天究星ナスのベロニカと対峙。魂の蝿の群れを一掃し、蟹ばさみ技・アクベンスでベロニカを胴切りにするも、タナトスに不死の肉体を授かったベロニカは冥衣をまとって再生。森ごと腐食させようと迫るベロニカを積尸気冥界波で黄泉比良坂へ誘い出したマニゴルドは、そのむきだしの魂を積尸気鬼蒼焔で焼却。タナトスの命でベロニカは玉砕を図る…が、不死の力を与えるための空間の穴をたどって、マニゴルドは双子神の離宮に殴りこむ!
  • ヒュプノスが席を外し、1対1で挑むマニゴルドをタナトスは具現化したチェス駒の巨人などで翻弄。人の存在を許さぬ空間「神の道」で粉砕しようとするが、アテナの護符でそこに駆けつける者がいた。教皇セージ…マニゴルドの師匠にして、前聖戦での双子神の猛威に捲土重来を誓った、蟹座の先代黄金聖闘士!荒ぶる死霊・タルタロズフォビアも、弟子マニゴルドに授けた霊体爆破の技・積尸気魂葬破で封じてみせる。人間を「虫けら以下の塵芥」たる命と見下すタナトスは本気の攻撃に転じ、マニゴルドはテリブルプロビデンスから師匠を守ろうと身を投げ出す。かつて身内を戦災で失い、命を塵芥と…自分を「死刑執行人(マニゴルド)」とうそぶいた追いはぎの少年だった自分を、命は宇宙と諭し拾い上げた師匠のために…。護符の結界陣・タリスマンケージで倒れた弟子を庇う教皇だが、先代アテナの護符は既に効力乏しい。だが、余裕のタナトスの隙だらけの横面を、再起したマニゴルドが一打!!激昂し「神の道」を開くタナトスを前に、不敵に笑む師弟。護符は尽きるとも残す策とは…。
    • 少年時代のマニゴルドの声は、『スパロボアイビス・ダグラス、『To LOVEる』結城リト、『コードギアス』ヴィレッタ・ヌゥなどの渡辺明乃氏。
    • マニゴルドを孤児にした戦災が復活した冥王軍だったとバックボーンが付加され、死に向かい立ち笑みをたたえる様を、サーシャの口からテンマと似ていると語らせている。16話冒頭の弟子を思う童虎も、そういった相似を匂わせる描写なのだろう。
    • こんな世情でなければ「蟹座祭り」と諸手を挙げて喜んでいるところですが、命を次代につなぎ死に立ち向かうエピソードは今ほど感慨深く見られることはないです。この巻で収めるかと思った蟹座編は次回で完結の模様。