今月の別冊チャンピオン/『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話 外伝』最終回(老双子編8回目)

  • 教皇の間の扉から襲い来る天秤座の武器!? 祭壇星座ハクレイは、牡羊座ゲートガードとの戦いで自分の盾となった弟・蟹座セージを咄嗟にかばう。助け合う双子にかつて理想を見た教皇・天秤座イティアは、今や冥界と手を結び若い肉体で復活した…深く昏い絶望の小宇宙を抱えて。星の弾丸さながらの天秤座武器射出技「最後の正義(テロス ジケオシニ)」を積尸気への避難でかろうじて回避する双子。ハクレイは小宇宙剥奪の教皇代行権・白銀の聖火を仕掛けるが、現役教皇のイティアに執行権を上書きされ聖火が闇に染まっていく!セージは炎を通じてイティアの心の声を聞く。
  • 250年追い求めた平和という理想。それが裏切られることによって染みついた人間への悪性の疑念。老衰の生死の狭間で未知の神が…黒い双子神がささやく、それを糺す力を与えると!ゲートガードは教皇の変節にも恩人の理想だからと肯定し殉じたのだ。だが善悪の狭間でもがく人間を塵芥と掃く暴挙を許さないこと、人に絶望しないことこそがハクレイたちがイティアに教わった理想なのだ。聖火の剥奪で消えかけた小宇宙をセージはハクレイに集中させるも、「最後の正義(テロス ジケオシニ)」の猛威はしのげない。終焉目前のハクレイを加護する光が…それはゲートガードの、かつてイティアに救われた孤児の遺志の生命光。その間隙が、セージに。玉座に捨て置かれた教皇マスクに呼ばれ、継ぐことを託された者にそれを成す機を与えた!執行権が移行し、イティアから剥奪される小宇宙…死界の蝶たちとともに。かつての理想が勝利し満足気な敗者イティアは、聖域が人間に絶望しないことを双子に託し消滅する。生涯の誓いとの答えを聞きながら。
  • 次の聖戦。タナトスを討伐し殉職したセージの替え玉として、法衣を着て号令したハクレイはスターヒルからの眺めに想う。人間は善悪を乗り越えるゆえ尊い。だからこそ信じるのだ、未来は良いものであると。(完結)
    • 終わった。筆者の記事は、筆がのるとついつい詳細なあらすじレビュー化してしまうが、10年も並走してきたのか。そうするだけの熱量を受け取ってきたから、段々長文になっていったのだし。自分の駄文は、この熱量を伝えることができたのだろうか。LC自体の熱量はNDの不在を埋めるに余りあったし、その原作リスペクト浸透なくしてΩも黄金魂も起こらなかったのではないか。まあ、告白すると自分、LCに手ぇ出すまで原作無印買ってなかったんすよ(現役世代のくせに)。手代木先生はリスペクトという面では受け継いだ双子であり、去りゆく面では老兵イティアでもあったのだろう。自分は読者の範囲でしか手代木先生のリスペクト愛をリスペクトできてないけど、手代木先生のリスペクト愛をリスペクトする作家もきっともういるはず。
    • 外伝最終巻が6月ってことは、初夏発売のND最新刊とそっちの再開もその頃なのかな。男坂から間を開けない感じ?手代木先生はというと、ブログでは完全にオフモード。さすがにもう星矢企画には携わらないかな。LCも外伝でもう一杯おかわりしちゃったし出し尽くしたよな。十二分にLCという企画のお役目は果たせたのだし、今はただ、ありがとう、お疲れ様でした。