- ついにデッカーとの決着、そして決意したダユウの行動でザンドレッドが復活する…という原作47話の翻案。
- 原作でブルー流之介に丈瑠を迎えに行くよう背中を押すのは黒子の人だったが、黒子のいないこちらでは新レッドのローレンがケビンを促す。弟とそれを思いやる仲間の気持ちを汲んでケビンを送り出す姉というポジションはパワレン独自であり、原作版薫姫の人格者振り同様好感が持てる(実姉ゆえそうすることへの説得力もある)。しかもそうする一方で、ケビンが発った後にうつろな表情が映し出される!ジェイデンらの結束を知ると同時に、自分への疎外感も自覚しているのだ。日本版シンケンよりソフトな変更が目についたパワレン版でしたが、これほど深い人物描写が見れるとは。
- 原作同様、妻の幻にすがりつかれてウラマサが止まるデッカー。こちらでは幻の妻は先ずナイロック・ダユウの姿から現れて人間時代の姿に戻って見せる。原作十臓はこの時点で勝負が決していたのだが…自己の呪いを解くことに執着するデッカーは、再びナイロックの姿で斬りかかる!デッカーの背に斬撃波を当てて倒したのは、駆け付けたケビンだった。
- さて、デッカーの消滅で夫を取り戻す夢が断たれたという理由づけによってダユウは絶望。原作薄皮太夫は人間への未練を絶ちドウコクとの情愛に身を捧げるために、楽器に封じた苦しみを解放した。ダユウがザンドレッドの復活に手を貸す決意をしたのは、先日楽器を直してくれた借りを返すためであるが、他の人の幸せを許さないとまで言い放つほどに世を呪う存在に成り果ててしまった面が大きく感じられる。デッカーとの悲劇的関係が付け足されたおかげで、ここでの動機のわかりやすさは原作以上になっているかもしれない。
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