- 年末のまとめ記事、訃報から書かねばならんとはなあ…。『スタートレック エンタープライズ』ジョナサン・アーチャー船長役でした。歴代キャプテン声優の中で、最新シリーズの方が真っ先にお亡くなりになるって…。
- 世間的には、缶コーヒーBOSSのコマーシャル「宇宙人ジョーンズ」シリーズでのトミー・リー・ジョーンズの吹替えが浸透していますね。『MIB』TV放送版などのトミー・リーは菅生隆之さんで、知人にはCMそっちと誤認する方がいました。苦味のある声質は共通していますが、どこか無骨な語り口は菅生さんのスマートさよりもコミカルな設定を際立たせたかもしれません。
- 自分の所感としては、アーチャー船長に関しては、無骨な硬さを持つ谷口さんが役の茶目っ気とかの柔らかい部分に馴染むのに後半までかかっちゃった印象。まあ、これは作劇上のアーチャーのキャラが中々定まらなかったっていうのもあるんだけど。谷口さん自身はシャイで不器用だったんじゃないかな。そこが無骨な芸風になっちゃってて、柔らかい役に戸惑いとかあったんかな。もう本人には聞けませんが。
- 自分が最初に谷口さんの名前をおぼえたのは、『NINKU』の冷血漢な悪役・コウチン大僧正かな。その後も『グランセイザー』ベルゼウスや『ジャスティライザー』カイザーハデスの声など、悪ボスを演じつつ、『ワンピース』の探検家モンブラン･クリケット、『キューティーハニー THE LIVE』如月博士など懐の深い人物にも役の広がりを見せていました。まあ、あくまで自分の主観で、洋画方面ではもっと多数の仕事があるようですし、無骨な悪役ばかりでもなかったでしょう。若手の頃の『Aチーム』では陽気なレギュラーも演じたようですし。
- 2005年のDVD購入者応募イベントで、生のご本人を拝見しました。インタビューでENT打ち切りを、「まだワープ5しか出していない」と残念がっておられました。役に対してもエンジンが温まりかけだったことを示唆するご発言だったのだと思います。ご冥福をお祈りします。
