今月の別冊チャンピオン/『聖闘士星矢 THE LOST CANVAS 冥王神話 外伝』(天秤座4回目)

  • 仙境を掌握した白澤(ハクタク)とは、天秤座 童虎も知る牡丹(ムータン)の聡明な兄・飛眼(フェイガン)だった!?自分たち兄妹を拾った恩人・白龍を幽閉し、そのシンパを虐殺させたハクタクの眼は昔に無く冷たく暗い。同胞を殺され怒りに踊りかかる流星(リウシン)を、ハクタクの呼んだいかづちが撃つ!弟弟子・天馬星座のテンマに生き写しのリウシンが童虎の目の前で倒れる様は、まるで聖戦の再現…そう見通すハクタク。外界で人一倍多くを見聞きした童虎ですら、同胞の死に目を繰り返し誤ちを巡るようでは…閉ざされた視野の人間(ヒト)など守る値なし!
  • 墨衣(タトゥー)を顕現させたハクタクのとどめのいかづちから、リウシンをかばう童虎。世界の危機なら縁者はもちろんのこと、一人でも多く守りたいのは当然…童虎の想いはしかし、ハクタクには人間(ヒト)の増長を生むものでしかない。仙境で森羅万象のバランスを学んだハクタクは、視通す力を得るほどに人間(ヒト)の醜さへの憎しみも強くしていた…上流の村が川止めをしたばかりに土地が痩せ、挙句洪水で上流もろとも彼らの故郷を失わせた、そんな私欲への憎しみを!
  • 人間(ヒト)の矯正のために白龍から奪った力・恨みの力で大竜巻を呼ぶハクタク!白龍封印の大柱にぶち当たり、童虎とリウシンは吹き飛ぶのを免れるが、枷のある心臓を抱えた童虎は息絶え絶えの有様。生き抜く役目を外れて命を燃やすことで、ともに戦う同胞がこぼれた過去と実感する…だからこそ今度はこぼしたりしない!森羅万象の命同様、人間(ヒト)の知恵と心も次代へつなぐもの。童虎が自ら大竜巻に飛び込むと、竜巻が分裂!?…否・それは雄叫ぶ百龍!!
  • 百龍覇に奪った力を弾き飛ばされても人間(ヒト)への嫌悪を拭えぬハクタクが、断崖に身を任せようとするも…手を差し伸べる童虎、そして妹ムータン。世界の歪みを視ることに囚われた兄を、それを想う自分を視よとすがる妹が呼び戻した。
  • 白髪のハクタクから黒髪に戻るフェイガンを諭したところで、童虎は意識が途切れる。その中で語りかけてくるリウシンの正体は、白龍から奪われた力の一部…聖戦の同胞(とも)たちへの想いの具現。それを胸に次代への時間に挑む決意をしたとき…童虎は昊(ハオ)・依林(イーリン)の父娘が大滝をたずねたあの日に立ち戻っていた。幽玄のはざま・仙境で時間がズレたか、座す間に見た夢か?旅姿の兄妹や野狐が密かに見守る中、忘れえぬゆえに同胞(とも)たちの意志が自分を視ていてくれると確信した童虎は、想いを共に次代へ行く意志を新たにするのだった。
    • 妹ちゃんの「兄さん視て視て」は視野狭窄性悪説に陥った兄ちゃんへの「自分の想いも人間の一面ですよ」の必死なアピールだったんやね。
    • そしてまさかのゆめうつつ。兄妹と野狐も、白龍さまの御使いだったのか?奇譚のごとく天秤座編終了。次の当番は獅子座レグルスとな。