- 無数の毒血の針「クリムゾンソーン」を浴びて死を待つばかりのルコに、アルバフィカは魔道に堕ちた訳を問う。兄ルゴニスを魚座の血から救えなかった挫折から、弟子ペフコの無邪気さ・ひたむきさに一度は再起したルコ。そのペフコを不可解な熱病が襲い、手立ても無いルコに救いをささやく「死」の神の影。死なない肉体=冥闘士にすることでの患者への「救い」をもエサにされたルコは、「死」の甘言にすがりついたのだった…。
- ルコは真実を知り自責を感じるペフコに、兄の遺児・アルバフィカに引き合わされたことを感謝する。やがて散り始める園の鈴蘭と、冥闘士から戻り行く人々。自身も鈴蘭の塊となって徐々に崩れ行くルコは、奇しくも兄ルゴニスと同じ言葉をペフコに遺して消え去る---「いつでも共にいる」と。
- 任務の終わり、別れ。亡き師ルコとの誓い、毒の血も治せる薬師になる…だから戦いの果てに再会をと笑顔を向けるペフコのこうべを、アルバフィカは − あれほど畏れた自分の手で − 最後にひと撫でして応えた。
- 凶星の終焉を感じた聖域の教皇セージは、ルゴニスが遺した道が守られたことを悟る。それが毒の道でも、触れられぬからこそ絆を守り続けるのは、紛れも無い人の道だと…セージが故人へのはなむけの想いを巡らす頃、今日も白羊宮で帰還を出迎えるシオンに、アルバフィカは初めて安らぎの笑みをもらすのだった。