過去も未来も 星座も超えるから

明日は非番なのでレイトショーで「時をかける少女」行ってきました。
よその感想はネタバレ封じのためあまり読んでませんが、率直に言うと、いい「映画」を見た、です。
演出的には、3人の関係性を表わすキャッチボールの立ち位置いじり。
「女の子投げ」は、千昭の止めろの台詞が出るまで真琴の位置付けの象徴とは気づかずに見てました。その演出意図を見抜いた知人は、地元で細田守監督を見かけたときにそのことを話して喜ばれたそうな。
カメラワークは、終始ヒロインを傍観しているような目線。真横から撮るようなショットが多かったけど、印象に残るのは、リープを会得した直後の横顔と、ラストの横顔の長写し。前者は長写しになっているから何か言いたげだと思ってたのだが、ラストの横顔を見るとこれと対になっているのだなと感じました。前者の真琴が真横目線(=今しか見ていないため、リープ能力を刹那的な目的のために使おうとしている)に対し、後者は斜め上の目線(=自分の力で未来を目指そうとしている)となっています。画で語る力が強いという意味でもよくできた「映画」です。
監督の出身大学の地元だというのに、ミニシアターでの限定上映なのが口惜しい。もっと多くの人に、特に真琴と同じ目線の世代に見てほしい。